2022.04.14
意外と知らない修繕積立金
所有しているマンションの修繕積立金は売却時に戻ってくると思っている方も多くいらっしゃると思います。
結論から申し上げると、修繕積立金はマンションを売っても戻ってきません。
今回は皆様が意外と知らない修繕積立金についてご紹介します。
そもそも修繕積立金とは?
修繕積立金とは、大規模な修繕に備えてマンションの区分所有者が負担する積立金です。
金額については、国土交通省が策定した「長期修繕計画作成ガイドライン」を基準に、「長期修繕計画」を作成し、計画を基に資金計画を作成して決められることが一般的です。
●修繕積立金の目的
修繕積立金が集められる目的は、マンションの外壁やエントランス、屋上やエレベーターなどの共用部分を修繕することです。およそ10~15年に1度、大規模な修繕工事が実施される際に、修繕積立金が使用されます。また、自然災害などによる突発的な被害に対しても、修繕積立金の一部を活用するケースがあります。
●支払った修繕積立金は戻ってこない理由
マンションを手放すまでにいくら修繕積立金を払っていたとしても、売却時に修繕積立金は1円も戻ってきません。「積立金なのにどうして?」と感じるかもしれませんが、これは修繕積立金があくまでも「マンションの長期修繕計画に備えてオーナー全員から集めてプールしているお金」だからです。
マンションは非常に頑丈な建物ですが、10年から15年も経つと塗装や防水工事の効果が下がってくるため、定期的にメンテナンスをする必要があります。建物の高さがあって足場を組む作業が必要になる関係上、これらのメンテナンスには数百万円かかってしまうので、毎月オーナーから集めた修繕積立金で修繕費用を支払っているのです。
マンションのオーナーが変わる度に支払った修繕積立金を全額返還していると、修繕費用が貯まらず支払いができなくなってしまいます。そのため、マンションを売却しても修繕積立金は戻ってきません。