コラム

2022.03.17

不動産の媒介契約

不動産売却の仲介を不動産会社に依頼する場合に媒介契約を締結しなければなりません。
媒介契約は「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があり、それぞれに特徴があります。
今回は3種類の媒介契約について解説し、実際に媒介契約を選ぶ際のポイントなどを紹介していきます。

そもそも媒介契約って?


媒介契約(ばいかいけいやく)とは、家を売る時、不動産会社に間に入ってもらい、買主を探してもらうために結ぶ契約のことを言います。
家を売ろうとする時に買主を探したり、すべての手続きをご自身で行うのは難しいです。
そこで、不動産会社に仲介をお願いして所有している物件をどのような条件で売却活動を行い、成約した際の報酬金額をどのようにするのかといった内容を定めた媒介契約を結ぶことになります。
この媒介契約を締結することによって、依頼者と不動産会社間の依頼関係を明確化させ、仲介業務に関するトラブルを未然に防ぎます。

媒介契約3種類の違い


どの媒介契約を結ぶかは売主が決めることができ、どの契約を選択したとしても最終的に不動産会社に支払う仲介手数料は同じです。
この媒介契約にはそれぞれの特徴があります。3つの媒介契約の特徴の違いは、大きく分けて以下の4つになります。

①依頼できる不動産会社の数
②販売報告の義務
③買い手を自分で見つけた場合
④指定流通機構(レインズ)への登録義務
専属専任媒介契約
専任媒介契約
一般媒介契約
依頼できる不動産会社の数
1社のみ
1社のみ
複数社
販売報告の義務
1週間に1回以上
2週間に1回以上
なし
買い手を自分で見つけた場合
できない
できる
できる
指定流通機構(レインズ)への登録義務
あり
あり
なし

専属専任媒介契約

専属専任媒介契約とは、基本的な内容は専任媒介契約と同じで、より契約内容を厳しくしたものです。
他の2つの媒介契約とは異なり、自分で買い手を見つけて契約するという行為が禁止されており、その場合は不動産会社を媒介業者として契約することになります。
その他、指定流通機構(レインズ)への登録が義務なのは同じですが、媒介契約の締結から5日以内、依頼主に対する報告義務は7日に1回以上と定められています。


専任媒介契約

専任媒介契約とは、1社のみに依頼する媒介契約です。一般媒介契約のように他の不動産会社と併せて仲介を依頼することはできませんが、自分で買い手を見つけて売買契約を締結することはできます。その他、指定流通機構(レインズ)への登録が義務であり、媒介契約を締結した翌日から7日以内、依頼者への販売状況の報告義務が14日に1回以上、媒介契約の有効期限は3ヶ月と定められています。


一般媒介契約

一般媒介契約とは、3つの媒介契約の中で最も制限の少ない契約で、特に特徴的なのが「複数の不動産会社に仲介を依頼することができる」ということです。また、依頼者が自分で購入希望者を見つけた場合も売買することが可能です。その他、指定流通機構(レインズ)への登録義務は任意、販売状況の報告がない、契約期間3ヶ月以内といった取り決めがなされています。
媒介契約はどの契約を選んでも、メリット・デメリットがありますが、最終的には不動産会社と依頼者との個々の信頼関係が最も重要になります。

媒介契約の種類のみで、すぐに購入希望者が見つかるということはありませんので、複数の不動産会社に頼みたいのか、販売活動の報告を受けたいのか、自分で購入希望者を見つけて交渉する手立てはあるのかなどの自分の意向を明確にしたうえで、不動産会社に相談をして納得のいく媒介契約を結ぶようにしましょう。