コラム

2022.03.10

ホームインスペクションって知っていますか?

ホームインスペクション(住宅診断)とは、住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場から、また専門家の見地から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行なう専門業務を指します。
住宅の購入前や、ご自宅の売り出し前にホームインスペクションを行なうことで、建物のコンディションを把握し、安心して取引を行うことができます。

米国では、州によって異なりますが、取引全体の70~90%の割合でホームインスペクションが行われ、すでに常識となっています。日本でも近年、急速に普及しはじめています。

ホームインスペクションが調べる箇所について


●シロアリ被害
●雨漏り
●給排水管の漏水
●換気扇・給湯器・水栓・トイレ・建具・窓・ドアなど設備の確認
●建物・床の傾き
●構造体の状況
●マンションの場合は、共用部分の利用状況


住宅の規模や調査の内容によっても異なりますが、数時間で終了します

ホームインスペクションのメリット


①売主と買主が安心して取引できる

ホームインスペクションは、中古住宅の築年数だけでは判断できない劣化の状況がわかるメリットがあります。
住宅の状態を把握した上で売主と買主が安心して取引できるようになります。


②価格が妥当であるかを判断できる

ホームインスペクションにより住宅購入後の修繕費用がわかり、売却価格が適正であるかどうかの判断も可能です。買主は購入後の補修やリフォーム費用を把握でき、資金計画を立てやすくなります。


③スムーズに売却を進めることができる

住宅の売主がインスペクションを実施した場合、住宅の信頼性が高くなるため、通常よりも買い手が早く見つかったり、希望価格で売却できる確率が高くなります。


④売却後のトラブルを防げる

ホームインスペクションを行い欠陥などの内容を契約書に記載し、買主が了承していれば契約不適合責任を負う必要がないこともメリットです。契約不適合責任とは、契約書の記載内容と違うものを売った場合に売主が負う責任のことです。事前に買主が建物の不具合などについて納得していれば、修繕などを行う必要がなく、売った後のトラブルも減らせます。
日本において、ホームインスペクションは始まったばかりです。宅地建物取引業法改正案が成立したことで、2018年4月から中古住宅取引の際に宅地建物取引業を営む企業にホームインスペクションの斡旋の可否が義務付けられました。今後はさらにホームインスペクションについての認知や普及が進み、実施する人も増えていくと思います。